「予防歯科」という言葉をご存じでしょうか。「歯医者さんに通院する」といえば、虫歯の治療や入れ歯を作る、などいうことが思い浮かびますよね。

しかし最近では、３ヶ月～半年に１度、定期検診に通われている方も増えてきました。当院でも、同じように定期検診をおすすめしております。

「虫歯や歯周病になってから」ではなく、「虫歯や歯周病になる前の予防を大切にする」という考え・治療方法を「予防歯科」といいます。 

予防歯科といえば、世界的にスウェーデンが有名です。世界で初めて本格的な予防歯科に取り組み、その後、予防歯科は徐々に世界へと広まっていきました。

予防歯科の先進国として知られるスェーデンでは、虫歯や歯周病の患者さんがとても少ないことで有名です。

特に６歳児の約７割超がカリエスフリー（虫歯が全くない）の状態なのです。

びっくりですね！

では、どのようにして、子供たちに歯みがきを教えるのでしょうか？

スウェーデンでは、まず子供に歯磨きを教えるときに『２＋２＋２＋２』と言う合言葉を教えるようです。子どもたちに『２＋２＋２＋２って何？』と問いかけるとみんな答えられるくらい有名なのです。

『２＋２＋２＋２』とは？

２time per day

２cm　toothpaste

２min brushing

２hours without eat/drink

日本語でいうと・・・

１日２回は歯みがきをする。

フッ素入りの歯みがき粉は２㎝の長さを歯ブラシにつける。

２分以上は歯みがきをする。

そして、歯みがきしたあと２時間は、飲んだり食べたりしないこと。

 これが、『２+２+２+２』の合言葉の内容です。

お子様が歯磨きをしないで困っていらっしゃるなら、このスウェーデン式歯みがき法を試してみてください。

また歯みがきだけではなく、定期的な歯科医院での検診も大切です。

さて、日本は長寿の国として世界的に知られていますが、「お口の健康」という点でみてみると、予防歯科の先進国スウェーデンでは、80歳時に残っている自分の歯の本数は２０本ですが、日本では１１～１５本と言われています。

一度虫歯になってしまった歯は元には戻りません。歯を削る・詰めるということを繰り返していると、最終的には歯が抜けてしまったり、抜いて入れ歯になってしまったりします。

それなので、「虫歯になったら削る」のではなく「虫歯にならないように予防する」とういう予防歯科が日本でも進められるようになりました。

最近では、厚生労働省と日本歯科医師会が推進している「８０歳になっても２０本以上自分の歯を保とう」という「８０２０運動」など、マスコミなどを通じた周知もあり健康志向への動きが増えてきています。

生涯、自分の歯で食べることができるよう、みなさんが丈夫な歯を８０歳まで維持し、日本も「長寿の国」と並んで「予防歯科の先進国」と言われるよう取り組んでいきたいものですね。